コーヒー探求ブログ

感動のコーヒーに出逢うために

ハンドドリップ時に使用する水はコーヒーにどういった影響があるか 初心者向け コーヒー 入れ方

コーヒーをハンドドリップする上で欠かせない材料の水ですが、今回は水道水とミネラルウォーターを使用してコーヒーを作り、二つを比較しながら検証していきます。ミネラルウォーターを使用することでコーヒーの香りや、深煎りコーヒーの味の主体となる苦味も変化するのでしょうか。

 

<使用するコーヒー豆>

 エチオピア グジ ウォッシュド

 焙煎機   直火

 焙煎時間 15分20秒

 煎り止め 2ハゼのピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      優しい酸味

      甘い香り

      コク

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着きのある果実味

      グレープフルーツのような爽やかな香味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

      少し後味にえぐみを感じる

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

水道水とミネラルウォーターを使用し、コーヒーを作っていきます。ミネラルウォーターはスーパーなどで一般的に売られているいるものを使用します。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<水道水を使用>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分15秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<ミネラルウォーター使用>

今回は、抽出の手順は全く同じです。ミネラルウォーターの硬度は38mg/LでpH値は6.7と表示されてます。

 

<結果>

 今回使用したミネラルウォーターはスーパーで一般的に販売されている硬度の低い軟水で、pH値も7に近いので中性であることがわかります。水道水の硬度やpH値は地域によってもだいぶ差があり、私が住んでいる地域の硬度はおおむね60mg/Lなので、ミネラルウォーターと硬度の差が少しだけありますが 軟水という区分で大体同じということになります。

二つのカップの水色を見ていきます。二つとも同じように深い琥珀色です。香りを嗅いでいきます。どちらも甘い香りがあり、そこまで差は感じられません。水道水で作ったコーヒーを飲んでみます。ダークチョコレートのような苦味とコクがあり、ブルーベリーや、プルーンのような落ち着いた果実味と、爽やかなグレープフルーツのような風味も感じます。深煎り特有の香ばしい感じと、蜂蜜のような深みのある甘さもありますが、少しだけ後味がえぐく、舌に不快な感じが残ります。ミネラルウォーターで作ったコーヒーを飲んでみます。こちらも苦味やコク、果実味、甘みなど、水道水で作ったものと概ね同じような味のバランスです。違いを感じるとすれば、後味の印象が水道水のものより少しだけスッキリしていることです。味に深みはあるけど、クリアな印象で、後味のえぐい感じや渋みが軽減しているので、水道水とミネラルウォーターをそのまま飲み比べて感じること同様に、水に含まれる不純物の量の差が影響しているのかもしれません。大きな違いはこの一点ですが、スッキリ度と言ってもいいこの差は、コーヒーを美味しく作るために大切なように感じます。

今回二つを飲み比べましたが、ミネラルウォーターが幾らかスッキリしているという部分以外は、大きく差はありませんでした。使用した水がどちらも軟水でしたので、そういったことが影響しているのかもしれません。次は軟水と硬水も試してみようと思います。軟水と硬水では、水自体の特徴が大きく違うので、次の実験が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

美味しいコーヒーに出逢うために      其の壱 味覚編

ネットでググってみたり、インスタグラムや雑誌で検索して、評判が良く人気のある店を見つけ、コーヒーを飲んでみると、自分には全然美味しく感じないことってないでしょうか。。。おそらくコーヒー好きの方は一度はあると思います。。。笑

世の中に無数に存在するコーヒーショップ。数が多いだけに、この中から自分にあったコーヒーを探すことは非常に難しいように思います。コーヒーが好きな方であれば、家に美味しいコーヒー豆があるかないかで、日々の生活の潤いは全く違ってくるかもしれません。話がだいぶ脱線してしまいましたが、結局のところ、、、

 

美味しいコーヒーってどこにあるのでしょうか。。。

 

私の周りにも美味しいコーヒーになかなか出逢えない方達が多く、これまでの経験をふまえて、私の超超個人的な美味しいコーヒーの出逢い方をここに書いていこうと思います。 

 

皆さんはコーヒーをどのように味わっていますか?舌で味わってるいるとか、口の中とか、味覚に決まってるといったような声が多そうですが、一度そのような当たり前を捨てて考えると、より『味わう』ということにたいして面白い見方ができるかもしれません。コーヒーは『五感で味わう飲み物である』と良く言われています。五感とは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のことでありますが、この感覚の背景に記憶や感情も影響してきますので、日常的におこなっている『味わう』という体験が複雑な構造で成り立っていることがわかります。このことがコーヒーを味わうということで非常に大切で、その中でも特に『味覚』が一番コーヒーを飲むときの感覚として大きく影響すると言われています。味覚が味わうということに対して大切であることには間違いないのですが、その他の感覚もコーヒーを味わうということに影響してくることを忘れてはなりません。例えば喫茶店で飲んでいる美味しいコーヒーを、手洗いに持っていって飲めば雰囲気のある喫茶室の空間より幾らかコーヒーの味が落ちたように感じるかもしれません。舌の感じ方が変わってしまうので、 それだけその他の感覚も大切になってくるということです。それを踏まえた上で味覚について少しだけ書いていきます。

コーヒーの苦味の感じ方について考えていきましょう。味覚は人によって様々ですが、苦味の感じ方は大きく三種類に分けることができます。一つ目はノーマルテイスター。次にスーパーテイスター。そしてノンテイスター。まずノーマルテイスターですが、ほどよく苦味を感じる方達です。ノーマルテイスターの方たちが、全体の約50%いると言われています。次にスーパーテイスターですがノーマルテイスターの3倍味を感じるとも言われ、スーパーテイスターの特徴として、苦味を強く感じ、キャベツなどの野菜が苦手なことが多いそうです。全体の約25%にあたるそうです。そしてノンテイスターですが、スーパーテイスターの方たちがとても苦いと感じたものにたいして、苦味をほとんど感じることができません。こちらも全体の約25%いるといわれ、このことから、四人に一人が スーパーテイスター、もう一人がノンテイスター、残りの二人がノーマルテイスターということになります。自身がどこに属しているかは、友人や知人、家族とコーヒーの感想を言い合ったりするなかで、なんとなく分かることもできますし、はっきり知りたい方は、スーパーテイスターのテストキットなどもあるので、そちらを薦めます。

これらのことから、まず自分の味覚はどのあたりに属しているのかを考えてみるだけでも、好みのコーヒーに一歩近づくことができます。スーパーテイスターの利点、弊害など、ここまでの情報をもっと詳しく知りたい方はネット上に記事が沢山ありますのでそちらをご覧ください。

この文章を読んで頂いた方たちが、自分の舌の特徴を知ることで、より自分にあったコーヒーに出逢えることを願っています。今後もコーヒーの様々なことを考察したり、検証していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

初心者向け コーヒー 入れ方 ハンドドリップの抽出時『のの字』の幅を変えると、どのような変化があるか

これまで、ハンドドリップの抽出時にのの字を描かない場合や、のの字の回転させる回数を変えるなど、いくつかのことを検証してきました。出来上がったコーヒーに大きな違いがでたり、逆にほとんど変わらなかったり、結果は様々でした。そういったなかで今回試してみたいと思ったことが、抽出時の、のの字を描く幅を変えるというものです。はたしてどのような結果になるのか。それでは検証していきます。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

 <使用するコーヒー豆>

 エチオピア グジ ウォッシュド

 焙煎機   直火

 焙煎時間 18分40秒

 煎り止め 2ハゼのピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      優しい酸味がある

      甘い香りがある

      コクがある

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着きのある果実味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

      少し後味にえぐみを感じる

 

 <使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

 今回はハンドドリップ抽出時の『のの字』の幅を変えて、違いを比べます。ひとつ目はドリッパーの中を中心から端まで満遍なくのの字を描いていきます。もうひとつは、ひとつめよりももっと中心よりにしてのの字を描きます。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<満遍なくのの字を描いたコーヒー>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心から端まで、満遍なくのの字を描きながら、全体で1分15秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<中心よりにのの字を描いたコーヒー>

こちらも上記と同様に蒸らしたあと、中心寄りにのの字を描いていきます。幅は500円玉を意識しながら抽出をしていき、全体で1分25秒かけて、120CCとり、抽出を終了しました。

 

<結果>

のの字を満遍なく描くコーヒーを抽出していて、いつも通り湯を流しているつもりでしたが、1分15秒あたりで、120CCに達してしまいました。普段は1分30秒ぐらいで抽出していて、プラスマイナス5秒ぐらいの誤差こそありますが、今回は15秒も早く120CCに達してしまいました。満遍なくのの字を描き、端の方にも湯を流していくのですが、端のほうは湯が早く流れ、カップに入っていくということでしょうか。中心よりに抽出したコーヒーは1分25秒でほとんどいつも通りの時間です。

香りを嗅いでみます。二つを比べると、中心よりにのの字を描いたコーヒーが香りが甘く、より華やかな印象があります。

味をみていきます。全体に満遍なくのの字を描いたコーヒーは、苦味があり、優しい酸味もありますが、若干水っぽい感じがします。ペーパードリップ特有の紙の味も、いつもより強めに感じました。二つ目のコーヒーを飲んでみると、ひとつ目よりも より果実味を感じます。香味がよりしっかりしていてこの豆がもつ、ブルーベリーや、プルーンといった香味をはっきりと感じることができます。香味に隠れているのか、たまたまなのか、こちらは紙の味はあまり感じることができません。

これらのことから中心よりにのの字を描いたコーヒーのほうが粉が持つ香味がより入るということがわかりました。これはどういうことか。ハリオの円錐ドリッパーの形状をみると、横の長さの直径が約3センチから3・5センチぐらいまでが円柱になっています。端のほうは斜めになっているため、中心に湯を流したほうが、より粉に湯が触れて、カップに落ちていくということがわかります。500円玉の直径が265ミリなので、中心よりにのの字を描いたコーヒーが、湯が粉に多く触れ一つ目と比べ、より香味の強いコーヒーになったということでしょうか。

今回も新たにわかったこともありますが、その時その時のコーヒーの個体差であったり、誤差もあるので、より精度の高い検証結果になるよう、今後も同じ条件で別のコーヒーで試していきたいです。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

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初心者向け コーヒー 入れ方 ハンドドリップの抽出時の回転の数はコーヒーの味にどの程度影響を与えるか

過去にハンドドリップの抽出時に、のの字を全く描かないで抽出して、コーヒーの味を比べてみた記事があります。コーヒーの業界で当たり前とされている、抽出時の動きですが、のの字を描かなくても意外と味はしっかりでて、比較的爽やかな印象のコーヒーができました。コーヒー味ににいくらか影響を与えるのの字ですが、今回はのの字を描く回数を変えて、コーヒーを作り比較検証していきます。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

<使用する豆>

エチオピア グジ ウォッシュド

焙煎機   直火

焙煎時間  18分40秒

煎り止め  2ハゼのピーク 深煎り

味の印象  優しい苦味

      優しい酸味がある

      甘い香りがある

      コクがある

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着いた果実味

      ダークチョコレートにあるようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

      少しだけ後味にえぐみを感じる

 

<使用する器具>

ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)

サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
今回はハンドドリップ抽出時の回転の数を変えて抽出してみます。回転の数を5回と、15回の二つのコーヒーを作り飲み比べ、比較検証していきます。時間や湯温などは同じで、回転数だけを変えて検証します。
電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。
 
<回転の数が5回の抽出>
20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。ゆっくりのの字を5回描き、全体で1分30秒かけて、120CCとり、抽出を終了します。
 
<回転の数が15回の抽出>
こちらも上と時間は同じですがポットを回転させる数が15回なので、素早く回転させてコーヒーを作ります。
 
<結果>
約1分30秒で抽出すると決めたので15回、のの字を描くのはスピーディーな作業になり少し慌ててしまいました。なかなか高速での回転なので慣れていないこともあって湯のコントロールの安定が難しく、これは訓練が必要だなと感じました。
二つのコーヒーの香りを嗅いで比較してみます。回転の数が5回で作ったコーヒーは甘い香りがあります。華やかな感じではなく、少し落ち着いた花のような印象のある香りです。若干、スモーキーな香りも存在します。15回、回転させたものも、似たような印象の香りがあります。二つを何度も比較してみましたが、二つとも大きな差は感じられません。
二つのコーヒーを飲んでみて味をみていきます。回転の数が5回で作ったコーヒーは、まず苦味を感じます。酸味は落ち着いていて、コーヒーのもつ、ダークチョコレートのような苦味と、少し焦げた感じの苦味もあります。主体は苦味ですが、ブルーベリーやプルーンといった、少し落ち着きのある果実味を感じます。少しだけ後味がえぐく、少し渋い感じが残ります。普段のハンドドリップの抽出時の回転の数が5回から10回ぐらいなので、概ね、上に記してある、この焙煎豆の味の印象のデータと同じになりました。回転の数が15回で作ったコーヒーも飲んでみます。こちらも苦味が主体のコーヒーになってます。苦味のバランスもダークチョコレートや少し焦げ感があるのことも、回転の数が5回のコーヒーとほぼ同じです。他の特徴も同じで、しいて言えば少しだけ後味の渋い感じが強いような気がします。ほんの少しの差なので各焙煎豆の個体差の可能性もありますが、以前のの字を描いたものと、描かなかったものでも、後味の渋みに差があったので、このことは繋がる気がします。のの字を描かなかったコーヒーが後味の渋みが少なかったのに対し、のの字を約5回から10回描いたコーヒーは渋みが増し、今回15回のの字を描いたコーヒーは、5回回転させたコーヒーより少し渋みがあがったことを考えると、おそらく回転数を増やせば増やすほど、抽出される成分が増していく可能性が考えられます。全く回転させない場合と、数回、回転させた場合では大きな差があり、回転の数がある程度の回数になると大きな差はないという感じでしょうか。このことから個性の強い焙煎豆を使用する場合に回転の数を減らしてあげたりすると、良い塩梅のコーヒーができるといったような調整ができそうです。今回の検証で以前試した検証の結果と結びつき、よりハンドドリップへの理解が増したように思います。検証する度、面白さに気づき好奇心が増します。今後も色々なことを試していきたいです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

初心者向け コーヒー 入れ方 全行程、点滴抽出でハンドドリップしたコーヒーの味の変化

ドリップポットから少量の湯を垂らしてコーヒーを抽出していく点滴抽出を行なっている自家焙煎店がいくつかあります。比較的焙煎の煎りの深い店に多い抽出方法ですが、蒸らしを行い1、2分で抽出する一般的なハンドドリップとどの程度味に違いがあるのでしょうか。今回は点滴抽出と通常のハンドドリップを比較し検証していきます。

 

<使用する豆>

エチオピア グジ ウォッシュド

焙煎機   直火

焙煎時間  21分50秒

煎り止め  2ハゼのピーク前半

味の印象    深煎り 優しい苦味

      優しい酸味がある

      甘い香りがある

      コクが少なく少し味も抜けた感じがある

      少しだけ後味にえぐみを感じる

 

<使用する器具>

ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)

サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
一つはいつもの抽出で、もう一つは蒸らしの工程はとらずひたすら点滴抽出でコーヒーを作っていきます。電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、抽出作業にはいります。
 
 <蒸らしをおこなう抽出>
90度の湯を20グラムの粉に20秒かけてのせていき、15秒待ちます。そのあとのの字で抽出に入り全体で1分30秒かけて、120CCとり抽出を終了します。
 
<点滴抽出>
80度の湯を20グラムの粉に点滴でのせていき、最後まで続け、3分30秒で120CCとり抽出を終了します。
 
<結果>
蒸らしをして湯を粉に流していく抽出では、粉の上に泡が多く出ますが、点滴抽出をすると出てくる泡の量が全く違います。普段の抽出に慣れていると、少し違和感があり、どんなコーヒーができるのか想像もつきません。出来上がったコーヒーは点滴抽出で作ったコーヒーが、蒸らしを行うコーヒーに比べて、水色が少し濃いです。蒸らしを行うコーヒーは水色が琥珀色から黒の中間ぐらいなのに対して、点滴で作ったコーヒーは黒に近いです。色がこれだけ違うので味や香りにもだいぶ違いがあるのではと予想できます。
香りを嗅いでみると、一つ目のコーヒーは甘く優しい香りがあります。二つ目の点滴抽出で作ったコーヒーを嗅いでみると、甘い香りの他に別の香りを感じます。少しウッディな香りとスモーキーな香りもあり、複雑で力強い香りの印象があります。
味を比較しながらみていきます。点滴抽出で作ったコーヒーは、まず力強い苦味を感じます。通常のハンドドリップに比べ全体に味も濃く、少し酸味もありますが、力強い苦味とコクでほとんど隠れてしまっているようです。一方蒸らしをしたコーヒーは、苦味は少し感じる程度で、優しい酸味が主体になっています。点滴抽出のコーヒーより、明るい印象があり、飲みやすいです。点滴抽で作ったコーヒーは、この焙煎豆がもつ後味のえぐみも強くあるように感じます。蒸らしをしたコーヒーは、えぐみは少なく、比較的明るいブルーベリーのような果実味、トーストやナッツのような印象が大きいです。点滴抽出で作ったコーヒーは、ダークチョコレート、スモーキー、ナッツといったところでしょうか。果実味はあまり感じず、全体に苦味が支配しているような印象を受けます。点滴抽出は少し甘苦い感じもあります。
ここまでをまとめると、点滴抽出で作ったコーヒーは、蒸らしをしたいつも作っているコーヒーに比べ、苦味が強く、コクがあり、渋みやえぐみを含め沢山の味が抽出されて全体に濃いコーヒーとなっていることがわかります。これは点滴の部分だけではなく3分30秒という抽出時間も関係しているように思います。通常1分30秒で抽出してて、その倍以上かかっているので、それだけカップに入る成分も違うはずで、ならば時間を同じにして点滴と蒸らしをする抽出を比較したらどうだろうかと考えました。以前温度を下げて抽出して検証した時に、温度を下げたコーヒーは、苦味はあまり感じられませんでした。このことを考えると、今回も温度は80度であったので、抽出時間が味に与える影響の大きさを気づかせます。今回湯温であったり、時間であったり変えたところが多かったので、次回検証するときはもう少し条件を似せて比較していきたいです。
 
 

初心者向け コーヒー 入れ方 ハンドドリップの『のの字』の動きの必要性

ハンドドリップをしているほとんどの方が抽出時『のの字』を描いているのではないでしょうか。抽出時の当たり前の動きとなっている『のの字』はそもそも何のために存在するのでしょうか。『美味しい成分を十分に引き出すため』とか『無駄なく抽出するため』などと言われていますが、実際にポットを回転させた場合と回転させない場合でどういった違いがあるのか検証していきたいと思います

 

<使用する豆>

エチオピア グジ ウォッシュド

焙煎機   直火

焙煎時間  20分50秒

煎り止め  2ハゼのピーク

味の印象    深煎り 苦味とコクを感じる

      少しマスカットのような果実感がある

      優しい酸がある

      甘い香りがある

      少しだけ後味にえぐみを感じる

<使用する器具>

ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)

サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
ハンドドリップの抽出時に、ポットをのの字に回転させたコーヒーと、全く回転させないコーヒーを作り飲み比べていきたいと思います。
電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。
 
<ポットをのの字に回転させて抽出>
20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。全体で1分30秒かけて、120CCとり、抽出を終了します。
 
<ポットを回転させず抽出>
抽出の時間は全く同じですが、一切ポットを回転させずに抽出します。
 
<結果>
抽出時、のの字を描かず、ひたすら中心に注ぎ続けるので、粉に穴ができ,まともに抽出できないのではないかと思っていましたが、実際に抽出してみると、全くそういうことはなく、自然に抽出することができました。
香りを嗅いでみます。若干のの字を描かないコーヒーのほうが甘い香りが際立っている気がします。のの字を描いたコーヒーは、様々な香りが混ざっている印象があります。ひとつずつ飲んでみます。のの字を描いたコーヒーは少し鋭い酸味があります。優しい感じではなく、若干舌に刺さるような感じです。のの字を描いていないコーヒーは穏やかな酸味を感じます。苦味も柔らかく、後味もすっきりしています。のの字を描いたコーヒーは、口に渋みが長く残りますが、コクであったり力強さを感じます。どちらにもこのコーヒー豆がもつマスカットのような爽やかな果実味は存在しますが、のの字を描いていないもののほうが、渋みがない分、より爽やかな印象を感じさせます。ポットを動かさずに、中心にお湯を垂らしているだけなので、コーヒーのもつ灰汁や雑味がカップに入って渋い感じもでてくるのではと予想していましたが、味わいは穏やかでとても落ち着きがあります。今回予想と全く違う結果になり、とても驚いています。中心にだけ湯を垂らし続けると粉に穴が開いて雑味が入るという先入観が勘違いだったことがわかります。まだ沢山試していないので、一概には言えませんが、普段特に気にせずのの字を描いているので、少し見直す必要性を感じます。のの字を描かないコーヒーは、全体的に爽やかな印象があるので、のの字とのバランスを見直せば、力強さと爽やかさの両方を兼ね備えたコーヒーができる可能性があります。これまで、高い位置からハンドドリップしてみたり、抽出の回数を変えてみたものを試したりと、色々検証してきましたが、どれもハンドドリップの奥深さを気づかせてくれました。気付くたび普段作るコーヒーのハンドドリップを改良していってます。コーヒーの新しい味わいに出会えるので、よりコーヒーに興味が湧いてきます。今後もっと検証していきたいです。
 
 
 
 

 

 

初心者向け コーヒー 入れ方 粉の粗さはハンドドリップにどのような影響を与えるか

コーヒーをハンドドリップする際、粉の挽きの荒さを変えると、抽出されたコーヒーにどのような影響があるの検証してみます。

 

<使用する豆>

エチオピア グジ ウォッシュド

焙煎機   直火

焙煎時間  20分50秒

煎り止め  2ハゼのピーク

味の印象    深煎り 苦味とコクを感じる

      少しマスカットのような果実感がある

      優しい酸がある

      甘い香りがある

      少しだけ後味にえぐみを感じる

<使用する器具>

ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)

サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
一つはミルのダイヤルを中挽きで、もう一つは粗挽きに設定してコーヒーを抽出してみます。
まずミルでコーヒー豆を挽きます。電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。
 
<中挽きの粉の抽出>
カリタのクリーンカットミルの挽きの設定を中挽きにして、コーヒーを入れていきます。20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。全体で1分30秒かけて、120CCとり、抽出を終了します。
<粗挽きの粉の抽出>
ミルの設定を粗挽きに変えてコーヒーを入れていきます。こちらも20秒かけて湯を粉にのせていき、15秒待ちます。蒸らしを終え、抽出に入り、全体で1分20秒かけて120CCとり、抽出を終了しました。
 
<結果>
粗挽きの粉をドリップしていて湯の通りが早いということに気がつきました。粉が荒いため、中挽きに比べ湯を保持しにくく、いつもより蒸らしをし辛く感じました。抽出時も湯の通りが早いため、いつもと同じペースで湯を出していても全体の抽出時間は1分20秒になり、中挽きに比べ10秒早く120CCに達しました。 ハリオの円錐ドリッパーを使用しているため、抽出速度が早く、中挽きの時と同じ時間でコーヒーを作りたい場合には注意が必要です。
どちらにも甘い香りを感じられますが、中挽きで作ったコーヒーのほうが、少しだけ香りが強いです。中挽きと粗挽きのコーヒーを飲み比べてみます。中挽きで作ったコーヒーは優しい酸が感じられましたが、粗挽きで作ったコーヒーには少ししか感じられませんでした。粗挽きで作ったコーヒーは少しあっさりしていて、中挽きのコーヒーに比べコクも少なく感じます。このコーヒー豆が持つベリー系の果実味も中挽きのコーヒーのほうが感じられます。中挽きは味に立体感を感じますが、粗挽きはどこか単調に感じます。こうしてみていくと中挽きのほうが全てにおいて優れているように思えますが、粗挽きのコーヒーにもよさはありました。まず後味がさっぱりしている点です。生豆の質や焙煎も影響しますが、この焙煎豆のもつ後味のえぐい感じが粗挽きのコーヒーはほとんど感じられませんでした。粗挽きは中挽きに比べ湯の通りが早く、美味しい部分もカップに入りにくいのですが、そのコーヒーがもつ悪い部分も薄まるので、お店で買ったけど好みの味ではなかった時などに、粗く挽くことで、いくらか飲みやすくなるかもしれません。ミルのダイヤルを少し変えるだけで味の特徴が変化するので、ミルはコーヒーにとってとても重要な道具です。ハンドドリップの繊細な世界をよりおもしろくしてくれてます。一杯のコーヒーを作るのに沢山の工程があります。以前、グラムや温度を変えたりと、コーヒーを比較しましたが、どの工程も味に影響がでて、手が抜けません。これからもひとつひとつ検証して、味と原因を結びつけ、よりよいコーヒーに近づけるよう精進していきたいです。