コーヒー探求ブログ

感動のコーヒーに出逢うために

初心者向け コーヒー 入れ方 全行程、点滴抽出でハンドドリップしたコーヒーの味の変化

ドリップポットから少量の湯を垂らしてコーヒーを抽出していく点滴抽出を行なっている自家焙煎店がいくつかあります。比較的焙煎の煎りの深い店に多い抽出方法ですが、蒸らしを行い1、2分で抽出する一般的なハンドドリップとどの程度味に違いがあるのでしょうか。今回は点滴抽出と通常のハンドドリップを比較し検証していきます。

 

<使用する豆>

エチオピア グジ ウォッシュド

焙煎機   直火

焙煎時間  21分50秒

煎り止め  2ハゼのピーク前半

味の印象    深煎り 優しい苦味

      優しい酸味がある

      甘い香りがある

      コクが少なく少し味も抜けた感じがある

      少しだけ後味にえぐみを感じる

 

<使用する器具>

ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)

サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
一つはいつもの抽出で、もう一つは蒸らしの工程はとらずひたすら点滴抽出でコーヒーを作っていきます。電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、抽出作業にはいります。
 
 <蒸らしをおこなう抽出>
90度の湯を20グラムの粉に20秒かけてのせていき、15秒待ちます。そのあとのの字で抽出に入り全体で1分30秒かけて、120CCとり抽出を終了します。
 
<点滴抽出>
80度の湯を20グラムの粉に点滴でのせていき、最後まで続け、3分30秒で120CCとり抽出を終了します。
 
<結果>
蒸らしをして湯を粉に流していく抽出では、粉の上に泡が多く出ますが、点滴抽出をすると出てくる泡の量が全く違います。普段の抽出に慣れていると、少し違和感があり、どんなコーヒーができるのか想像もつきません。出来上がったコーヒーは点滴抽出で作ったコーヒーが、蒸らしを行うコーヒーに比べて、水色が少し濃いです。蒸らしを行うコーヒーは水色が琥珀色から黒の中間ぐらいなのに対して、点滴で作ったコーヒーは黒に近いです。色がこれだけ違うので味や香りにもだいぶ違いがあるのではと予想できます。
香りを嗅いでみると、一つ目のコーヒーは甘く優しい香りがあります。二つ目の点滴抽出で作ったコーヒーを嗅いでみると、甘い香りの他に別の香りを感じます。少しウッディな香りとスモーキーな香りもあり、複雑で力強い香りの印象があります。
味を比較しながらみていきます。点滴抽出で作ったコーヒーは、まず力強い苦味を感じます。通常のハンドドリップに比べ全体に味も濃く、少し酸味もありますが、力強い苦味とコクでほとんど隠れてしまっているようです。一方蒸らしをしたコーヒーは、苦味は少し感じる程度で、優しい酸味が主体になっています。点滴抽出のコーヒーより、明るい印象があり、飲みやすいです。点滴抽で作ったコーヒーは、この焙煎豆がもつ後味のえぐみも強くあるように感じます。蒸らしをしたコーヒーは、えぐみは少なく、比較的明るいブルーベリーのような果実味、トーストやナッツのような印象が大きいです。点滴抽出で作ったコーヒーは、ダークチョコレート、スモーキー、ナッツといったところでしょうか。果実味はあまり感じず、全体に苦味が支配しているような印象を受けます。点滴抽出は少し甘苦い感じもあります。
ここまでをまとめると、点滴抽出で作ったコーヒーは、蒸らしをしたいつも作っているコーヒーに比べ、苦味が強く、コクがあり、渋みやえぐみを含め沢山の味が抽出されて全体に濃いコーヒーとなっていることがわかります。これは点滴の部分だけではなく3分30秒という抽出時間も関係しているように思います。通常1分30秒で抽出してて、その倍以上かかっているので、それだけカップに入る成分も違うはずで、ならば時間を同じにして点滴と蒸らしをする抽出を比較したらどうだろうかと考えました。以前温度を下げて抽出して検証した時に、温度を下げたコーヒーは、苦味はあまり感じられませんでした。このことを考えると、今回も温度は80度であったので、抽出時間が味に与える影響の大きさを気づかせます。今回湯温であったり、時間であったり変えたところが多かったので、次回検証するときはもう少し条件を似せて比較していきたいです。