コーヒー探求ブログ

感動のコーヒーに出逢うために

美味しいコーヒーに出逢うために 其の弐 焙煎豆編

以前、美味しいコーヒーに出逢うための味覚の話をしました。人によって味覚の感じ方の違いを3種類に分けスーパーテイスターやノンテイスターなど、それぞれの特徴を書いてます。もし味覚についてもう少し細かい情報を知りたい方はこちらをご覧になってください。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

今回はこれらを踏まえた上でより美味しいコーヒーに出逢うための考え方を考察していきます。

コーヒー豆を購入するときに、販売している方に確認しておいたほうがいいことが1つあります。それは、コーヒー豆を選ぶときに焙煎日を聞くということです。コーヒーは一般的に焙煎してから3日後以降が飲み頃と言われていて、私の経験としては焙煎してから1週間から2週間までが一番美味しく感じることが多いです。まずお店側に確認してほしいのが、古いコーヒー豆を販売していないかということです。焙煎して一月以上経ったコーヒー豆を販売している店はあまり良心的ではないと言えるでしょう。焙煎の仕方によっても変動するのですが、焙煎してから概ね1週間以内にコーヒー豆を全部売り切る店は誠実だと思います。焙煎日の質問をされた従業員が日にちをよくわかっていなかったり、答えてくれないお店は少し疑ったほうがよさそうです。逆に焙煎豆が新鮮すぎてもカップに美味しいコーヒーが入ることは難しくなります。焙煎したコーヒー豆は表面からガスが放出され徐々にそれらは抜けていきます、新鮮なコーヒー豆はガスを多く含み、ハンドドリップする時にコーヒーを抽出しにくくします。いつも通りハンドドリップすると、抽出時泡が多く出て比較的あっさりとした深みのないコーヒーができることが多いです。ただ新しすぎる分には日にちを待てばいいのですから、従業員がそのことを一言伝えれば、その店は新鮮な焙煎豆を販売している良いお店ということになります。

新鮮な焙煎豆を販売していることが第一条件で、次は豆そのものの質の話をしていきます。最近の傾向として生豆のクオリティの話をする店が多いように感じます。しかし、味を一番大きく左右するのは焙煎です。どんなにいい生豆を使用していても焙煎が焦げていたりすると全てが台無しです。もちろん焙煎ができることを前提に考えると生豆が大切ですが、焙煎が上手な店はたとえ生豆のグレードを下げたとしても十分に美味しいコーヒー豆を作ります。では消費者としてどのあたりをチェックすればそのコーヒー豆の質が高いかが分かるかというと、ずばり豆の断面を見ることです。深煎りのコーヒー豆の割った断面が茶色い部分と黒く焦げた部分がはっきり分かれていたりすると、それは焙煎での熱の伝え方が上手くいっていないということになります。 こういった深煎り豆は、焦げた苦味を中心に、渋みなど不快な味が口に広がり、後味もとてもひどいです。このような豆を深煎りとして販売している店が多い中、均一に熱が伝わり綺麗な断面のコーヒー豆を販売している素晴らしい店もあります。世の中には情報による印象操作や、外観内装など様々な形で有名になっている店がありますが、名店と呼ばれるのはやはり焙煎が上手な店であってほしいものです。私自身焙煎をしますので難しさは理解しており、均一に火が通った美しい焙煎をする店に出逢うと本当に頭が下がります。裏を返せば不均一な断面の焙煎は誰でも簡単に作ることができます。もちろん均一であっても質が低いこともあります。このことは後日記述するとして、やはり研究を積み重ねることでしか素晴らしい焙煎に辿り着くことはできないように思います。年数や規模に関係なく、とにかく店主が研究熱心であることが近道で、歴史のある名店と呼ばれている店であっても、長い歴史の中で経営者が変わっていたりすると、焙煎はひどいものになっている例もあります。雑誌やネットで情報だけ見ているような客が集まり観光地化して、これはこれでビジネスとして成立しているのでしょうけど、こういった店で美味しいコーヒーに出逢うことはないでしょう。過去に良質なコーヒーを提供していたならば元名店ではあるのでしょうけど、雰囲気のある外観だけが残って、素人騙しの苦渋いコーヒーを出していることは、コーヒー好きの方々にとっては悲しいことです。逆に路地裏にひっそりと佇む開業1、2年ぐらいのまだあまり知られてない店で、素晴らしいコーヒーが出てくることがあります。早い段階でとてつもないクオリティのコーヒーを提供している店は、研究熱心な店主が開業前に徹底した焙煎の研究を積み重ねた成果だと思っています。このような店が全国にいくつもあるはずなので探して支持したいです。

今回の内容はもっと細かく書いていきたいのですが、長くなるのでこのぐらいで一旦終えます。余計な情報を排除して、焙煎の質が高い新鮮なコーヒーを提供する店を皆が支持することで、世の中に出回るコーヒーがより良質になっていくことを願います。ネットや雑誌の情報を鵜呑みにせず、良い意味で疑い、今日も一生懸命研究しているコーヒー屋さんを応援しましょう。この記事を見た読者の方々の新たな視点の手助けになれば幸いです。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

大坊珈琲店のネルフィルターでハンドドリップしたコーヒー 初心者向け コーヒー 入れ方

先日、親しい知人から大坊珈琲店で使用されていたネルフィルターを譲り受けました。今回はこのネルフィルターを使用し、ハンドドリップしてできたコーヒーの特徴などを検証していきます。久しぶりの検証ですので、気を引き締めて取り組んでまいります。

  

<使用するコーヒー豆>

 焙煎豆 イエメン

 焙煎機   直火

 焙煎時間 14分

 煎り止め 2ハゼ前半 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      スパイシーな香りと香味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      湿布のような香りも微かにある

 

 

<使用する器具>

 大坊珈琲店で使用されていたネルフィルター

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)(白)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

大坊珈琲店ネルフィルターと、いつも使用しているハリオの円錐ドリッパーでハンドドリップしてできたコーヒーを、検証し特徴等をみていきます。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<大坊珈琲のネルフィルターを使用>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと25秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分20秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<ハリオ円錐ドリッパー使用>

上と同じようにハンドドリップしていきます。

 

<結果>

初めて大坊珈琲のネルフィルターを使用してみて、予想していたよりも珈琲が抽出されていくスピードが早いと感じました。ネルフィルターも各店様々ですが、このネルも独特で、ネルが鍋や羽釜のような形状をしています。その辺のことも踏まえてみていきます。

まずできあがった二つのコーヒーの液体の色をみてみます。ペーパーに比べ、ネルフィルターで作ったコーヒーのほうが淡い琥珀色をしています。蒸らしや抽出の時間などは同じですが、ネルフィルターがあきらかに薄い色になりました。

できあがった二つのコーヒーの香りを嗅いでみます。ネルフィルターのものに比べ、ペーパーフィルターのコーヒーのほうが甘い香りをより多く感じられます。

二つのコーヒーを飲み、どのような違いがあるかみていきます。ハリオのペーパーを使用したコーヒーは、コクや甘みを感じます。大坊珈琲店ネルフィルターで作ったコーヒーは、スッキリした印象で、このことは、水色や香りのこととも繋がるので、全体に薄めのコーヒーができたことがわかります。一般的に、ネルのほうがコクや甘みが出ると言われますが、なぜこのような結果が出たかを考えると、ネルとペーパーの違いよりも、形状の違いが大きな差を生み出していることがわかります。今回使用したネルフィルターは、鍋や、羽釜、半月といったような形状で、孤の傾斜がだいぶ緩やかです。更に私が譲り受けたネルフィルターが、サイズ大で、上から見ると表面積が広く、全体に粉が浅くフィルターに収まっています。この形状でいつもの抽出をすると、湯が粉にあまり触れない箇所がでてきたり、全体に浅いので粉に湯が多く触れずカップに入り、結果として少し薄まったコーヒーが作られるのでしょう。ハリオの円錐ドリッパーは、商品名の通り円錐で、このネルより1.5倍ほど、粉の高さが出ますので、このネルと同じ時間で作るとコクや甘みのあるコーヒーが作られます。使用したコーヒー豆が20グラムでしたので、50グラムほど使用すればまた違う結果が出ると思います。形状から、いつもの抽出だと少し薄くなるので、点滴抽出を生かす形状とも言えるかもしれません。

初めて大坊珈琲店ネルフィルターを使用しましたが、たくさんの気づきと興味深い結果に、よりコーヒーの面白さを感じることができました。点滴抽出など、今後も検証していきたいです。

ハンドドリップ 時のコーヒーミルの使用法 初心者向け コーヒー 入れかた

コーヒーをハンドドリップする時に使用するコーヒーミルですが、刃を回転させてから豆を投入する場合と、豆を投入してから刃を回転させる場合でどのような変化があるのか気になるところです。以前ミルの挽きの粗さを変えて抽出して検証して大きな違いがありましたが、今回はどうでしょうか。検証していきます。

 

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

 

<使用するコーヒー豆>

 深煎りのコーヒー豆

 焙煎機   直火

 焙煎時間 17分40秒

 煎り止め 2ハゼピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      ライム、レモン、グレープフルーツ、オレンジのような柑橘系の爽やかな果実味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)(白)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

コーヒーミルの刃を先に回転させて豆を投入した場合と、豆をコーヒーミルにセットしてから刃を回転させる場合で、コーヒーを作り検証していきます。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと25秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分30秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<結果>

いくつかの店を見ていると先に刃を回転させてから豆を投入するところが多いように感じます。ごくわずかしか見たことないのですが、豆をミルにセットしてから回転させるところもあり一体どういった違いがあるのか気になっていました。私も普段はミルの刃を回転させてからコーヒー豆を投入しているのですが、特に違いを細かく調べたことがありませんでした。ミルにコーヒー豆をセットしてから、刃を回転させると急に大きな音が出て少し驚きますが、実際に大きな音が出ているのかどうなのでしょうか。コーヒーミルの刃を先に回転させると、大なり小なり回転する音が鳴るので、なんとなく心の準備ができコーヒー豆を挽く音も気にならなくなるのですが、実際に音に違いが出ているのか、そのへんがいまいちわかりませんでした。挽いたコーヒー豆の二種類の粉を見てみますと、挽きの粗さもそれほど違いは感じませんでした。若干コーヒー豆をセットしたあと刃を回転させた方が粗いのかなといった感じです。ハンドドリップしたコーヒーの香りを嗅いでみますと、ほぼ一緒のように感じます。飲んでみると、味に大きな違いはみられませんでした。豆をセットしたあと刃を回転させたほうが幾らかスッキリしているように感じますが、このぐらいの違いは個体差かもしれないですし、なんとも言えないところがあります。ここまでの結論を出すと、刃を先に回しても後で回しても大きな違いはないということになりました。コーヒーミルの刃を先に回転させないと、ミルのモーターに負荷がかかり、あまりミルにとってよくないと聞いたことがあります。この順番によってミルの寿命に違いが出るのであれば、先に刃を回しておく方が無難だとは思いますが果たしてどうなのでしょうか。コーヒーミルも高いものになるとモーターも大きくあまり関係ないのかもしれませんが、家庭用の小さいミルのモーターには意外と影響がありそうです。大きく差はなくても、やはり順番が違う分少しは味にも変化があると思うのであと二、三回試して色々分かってくることがあるかもしれません。今後も今回の検証はやっていきたいと思います。

 

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

 

ハンドドリップ時に使用するペーパーフィルターの比較 初心者向け コーヒー 入れ方

コーヒーをハンドドリップ する時にハリオのペーパーフィルターを使用していますが、このペーパーフィルターには漂白と無漂白の二種類が存在します。今回はこの二種類のフィルターを使用してコーヒーを作り比較していきます。

 

<使用するコーヒー豆>

 深煎りのコーヒー豆

 焙煎機   直火

 焙煎時間 17分40秒

 煎り止め 2ハゼピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      ライム、レモン、グレープフルーツ、オレンジのような柑橘系の爽やかな果実味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)(白)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

一つ目は無漂白(茶)、もう一つは漂白(白)を使用しコーヒーを作って比較していきます。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<無漂白のフィルターを使用>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと30秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分30秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<漂白されたフィルターを使用>

こちらも上と同じようにハンドドリップしていきます。

 

<結果>

 ハリオのペーパーフィルターは漂白と無漂白の二つが販売されています。コーヒーに使用するフィルターを漂白していると聞くと、少し抵抗があるかもしれませんが、ハイターのような塩素による漂白ではなく、酸素漂白をしているらしいので、基本的には安全であるようです。

二つのコーヒーの香りを嗅いで比較してみます。まずは一つ目の無漂白のフィルターを使用したコーヒーから。コーヒーの甘い香りの中にわずかに、木のような、紙臭さを感じることができます。次にもう一つの漂白されたフィルターで作ったコーヒーの香りを嗅いでみます。一つ目のように明らかに木の香りがするわけではないのですが、若干紙臭さを感じます。この二つを比べるとやはり、無漂白のほうが木のような香りが多く出ています。私はドリッパーに粉をセットする前の準備で、フィルターに湯をかける作業をするのですが、フィルターを通して出てきた湯も無漂白のものははっきりと木の香りがしますので、コーヒーにもだいぶ影響が出ている感じがします。

二つのコーヒーを飲んで味を比較していきたいと思います。一つ目のコーヒーは甘みがあり、レモンやライムなどの柑橘系の果実味が感じられます。そういった香味とは別にう、木のような紙のような味を感じます。二つ目のコーヒーも甘みや柑橘系の要素が強いのですが、やはり紙のような味が若干あるように感じます。しかし、一つ目よりかはだいぶ抑えられていてあまり神経質にならなければ、気にならない範囲かもしれません。

二つのコーヒーを比べてみて、無漂白のものはだいぶ紙臭さがあるように感じました。コーヒーを飲むうえで、より紙臭さを除きたければ、漂白のフィルターをオススメしますが、これまでにペーパーフィルターを使用してきた感じですと、同じメーカーの同じ種類のフィルターでも、どことなく個体差があるように感じます。もし確実に紙臭さを除きたければ、ネルフィルターの使用をオススメします。ネルフィルターは紙臭さは一切ないですし、紙に比べてより香味がコーヒーに溶けます。今回ある程度定説通りの結果となりましたが、今後も様々なことを一つ一つ試していきたいと思います。

ハンドドリップ の蒸らしと抽出の時間を変えてコーヒーを作るとどのような影響があるか 初心者向け コーヒー 入れかた

前回、蒸らしのあとの抽出のスピードを速くしてコーヒーを作るとどのような変化が起こるのかということを検証しましたが、今回は蒸らしの時間を長くして、抽出速度をあげてコーヒーを作り、検証していきたいと思います。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

<使用するコーヒー豆>

 エチオピア グジ ウォッシュド

 焙煎機   直火

 焙煎時間 16分10秒

 煎り止め 2ハゼピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着きのある果実味

      グレープフルーツのような爽やかな香味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

      少し後味がえぐい

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

一つはいつも通り、二つ目は蒸らしを長くし抽出の速度をあげ、全体の時間は同じで作ります。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<通常の抽出>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分30秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<蒸らし長め、抽出速度アップ>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと30秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。一つ目の1・5倍ぐらいの湯量で、中心からのの字を描きながら、全体で1分30秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<結果>

 前回蒸らしの時間は同じで、抽出速度をあげてコーヒーを作り検証しました。苦味より酸味が際立つコーヒーが作られ、本などで見られる抽出は酸味が先に出るという記述と概ね同等の結果となりました。その過程で今回の検証を考えるに至ったのですが、以前蒸らしの時間を長くして、全体の抽出時間も長めにして検証しましたが、その時は蒸らしを長くするとより様々な成分が抽出され、コーヒーの苦味やコクが上がるという結果が出ています。これらのことから、全体のドリップの時間は同じで、蒸らしを長くして、抽出速度を速めるとどのような結果になるのか気になるところです。

まず香りを嗅いでいきます。二つとも良い香りですが若干違いがあります。一つ目は果実感のある甘い香りがします。二つ目は果実感よりもラベンダーのような少しフローラルな香りと甘みが感じられます。ハンドドリップ の調整によって、コーヒーの香りが変わることは以前も述べましたが、とても興味深いことです。

コーヒーを飲んで比較してみます。一つ目は柔らかい苦味があり、酸味もあります。コクもあり甘い香味も感じますが、少し不快な後味が舌に残ります。通常このぐらいの時間配分でコーヒーを作っているので、概ねいつも通りの結果となりました。二つ目を飲みます。一つ目よりも苦味を感じます。香味やコクももありますが、一つ目にあったような酸味をあまり感じません。一つ目に比べて後味がスッキリしていて、舌離れがとてもよいです。

今回の検証で、蒸らしを長くして、その後の抽出の速度をあげると、苦味と酸味のバランスが変化することがわかりました。そして、後味が一つ目のコーヒーに比べスッキリすることがわかり、今後のハンドドリップ に役立ちそうです。これまでの検証結果とも繋がり新たな発見もあり、よりコーヒーに興味がもてます。今後も様々なことを検証していきたいです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

ハンドドリップの蒸らし後の抽出スピードの変化によるコーヒーの比較 初心者向け コーヒー 入れ方

以前このブログの記事にも載せましたが、ハンドドリップ の蒸らしの時間だけ変え、そのあとの動きは同じにして抽出をしたことがあります。その検証で様々な違いが分かりましたが、今回はハンドドリップの蒸らしを終えたあと、抽出の湯の量を増やすとコーヒーはどのように変化するのか検証していきます。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

<使用するコーヒー豆>

 エチオピア グジ ウォッシュド

 焙煎機   直火

 焙煎時間 18分50秒

 煎り止め 2ハゼ前半 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着きのある果実味

      グレープフルーツのような爽やかな香味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

      少し後味がえぐい

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

蒸らしを終えたあと、一つはいつも通り、もう一つはいつもより湯の出て行くスピードをあげて抽出していきます。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<いつも通りの抽出>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分30秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<蒸らし後湯の速度をあげての抽出>

こちらも20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしを終えましたら、抽出に入ります。中心からのの字を描きながら、一つ目よりもやや勢いよく湯を出していきます。全体で1分10秒かけて、120CCとり、抽出を終了します。

 

<結果>

ハンドドリップにおいて味の出ていく順番は概ね酸味が先で苦味がそのあとと言われています。厳密な理由は分からないのですが、苦味がゆっくり出ていくということが少し鈍間な感じがして癒されます。今回は二つ目が少し素早い作業になるので、120CCを超えてしまわないように冷静に落ち着いてドリップしていきました。1分10秒での抽出でしたので、湯の太さは太めで、いつもより粉の表面が盛り上がりました。

二つのコーヒーの香りを嗅いでみると、一つ目は甘い香りと、少し香ばしさもあり、重厚で少し落ち着いた印象があります。二つ目は甘い香りを中心にフローラルな感じがして、一つ目より少し華やかな印象があります。抽出の速度を変えると香りに違いが出ました。

二つのコーヒーを飲んで味を比較していきます。一つ目のコーヒーはコクと優しい苦味を感じ、丸みのある柔らかい酸味があります。甘みもあり全体にバランスもよく、香り同様、濃厚で落ちつきを感じます。二つ目の抽出の速度をあげたコーヒーを飲んでみると、苦味やコクは感じられなく、酸味が表に出ていて、一つ目のコーヒーと印象が少し違います。香り同様味も華やかで、フルーティな印象があり、よく言えば甘い果実味がる明るい感じがしますが、少々酸味に鋭さを感じます。

今回の検証で、一つ目のバランスのよいコーヒーに対して、抽出速度を上げるとフルーティな酸味が際立ったコーヒーができることがわかりました。一般的に言われている、酸味が先に抽出され、苦味はあとででてくると理論はあっている気がします。一般的な理論を確認しつつも、香りまで変わるということがわかり、よりコーヒーのことを知ることができよかったです。今後も様々なことを検証していきたいです。

 
nekoyanagi5.hatenablog.com

ハンドドリップ時に使用する水の種類でコーヒーの味にどのような影響があるか 初心者向け コーヒー 入れ方

前回、水道水とミネラルウォーターを使用してコーヒーを作り比較して検証していきましたが、今回はミネラルウォーターの軟水、硬水2種類を使用して、検証していきます。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

<使用するコーヒー豆>

 エチオピア グジ ウォッシュド

 焙煎機   直火

 焙煎時間 16分10秒

 煎り止め 2ハゼのピーク 深煎り

 味の印象 優しい苦味

      柔らかい酸味

      甘い香り

      コク

      ブルーベリー、プルーンなどの比較的落ち着きのある果実味

      グレープフルーツのような爽やかな香味

      ダークチョコレートのようなコクと苦味

      少し焦げた感じがある

 

<使用する器具>

 ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー

 フィルター ハリオV60ペーパーフィルター (茶)

 サーバー  IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ

 ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポット M-5

 カリタ クリーンカットミル

 

ミネラルウォーターの軟水と硬水を使用してコーヒーを作ります。使用する水は軟水が、クリスタルガイザーで、硬水がエビアンです。

電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつし、温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。

 

<軟水クリスタルガイザー使用>

20秒かけて湯を粉にのせていき、そのあと15秒待ちます。蒸らしが終わりましたら抽出に入っていきます。中心からのの字を描きながら、全体で1分15秒かけて120CCとり、抽出を終了します。

 

<硬水エビアン使用>

上と全く同じです。

 

<結果>

今回使用した水が、一つ目がクリスタルガイザーで硬度が38mg/Lの軟水で、アメリカのカリフォルニア州にある、マウントシャスタという山脈の水です。二つ目のエビアンは硬度が304mg/Lの硬水で、フランスのフレンチアルプス山脈モンブランの麓が水源です。この二つを水のまま飲み比べると、クリスタルガイザーは普段飲んでいる水のような口当たりですが、エビアンは、口当たりが少し重く、若干苦味を感じました。水が苦く感じるとは知らず、調べてみると、カルシウムとマグネシウムが苦味の原因になるそうです。マグネシウムは、苦味と塩味が混ざった複雑な味らしく、海水でもないのに、水に塩味を感じるという部分を面白く感じました。水をそのまま飲むだけでもこれだけ違いがあるのでおそらくコーヒーも違いが出るのではと予想されます。

二つのコーヒーの水色を見てみると、あまり違いは感じられませんでした。次に香りを嗅ぎます。一つ目のクリスタルガイザーで作ったコーヒーは甘い香りがしています。二つ目のエビアンで作ったコーヒーはほとんど甘い香りがありません。少し炭のような、焦がしたような匂いがします。少しの違いではなく明らかに違いがあったので少し驚きました。香りだけ嗅いでも全く別のコーヒーで、今まで比較した中で、一番香りに差がありました。二つのコーヒーを飲んで比べてみます。一つ目のコーヒーは優しい苦味があり、柔らかい酸味と、果実味のある香味があります。コーヒーが持つ甘みがあり、コクも感じます。二つ目のコーヒーを飲みます。飲んでみると、一つ目にはなかった強い苦味を感じます。焦げたような炭っぽい苦味が味のほとんどを占めていて、一つ目のコーヒーにあった、香味や甘みを感じません。酸味もほとんど感じなく、一つ目のコーヒーとの香りの差同様に、味も全く別物です。予想を超える味の違いに驚きつつも、コーヒーの味作りにおいて、水の重要性をあらためて感じました。

今回はクリスタルガイザーエビアンを試しましたが、硬水は他にも硬度1302mg/Lのゲロルシュタイナーや硬度1468mg/Lのコントレックスがあります。今回の硬度でこれだけ差が出たので、今後他の水でも試していきたいと思います。

 

 

nekoyanagi5.hatenablog.com