コーヒー探求ブログ

感動のコーヒーに出逢うために

美味しいコーヒーに出逢うために 其の弐 焙煎豆編

以前、美味しいコーヒーに出逢うための味覚の話をしました。人によって味覚の感じ方の違いを3種類に分けスーパーテイスターやノンテイスターなど、それぞれの特徴を書いてます。もし味覚についてもう少し細かい情報を知りたい方はこちらをご覧になってください。

 

nekoyanagi5.hatenablog.com

 

今回はこれらを踏まえた上でより美味しいコーヒーに出逢うための考え方を考察していきます。

コーヒー豆を購入するときに、販売している方に確認しておいたほうがいいことが1つあります。それは、コーヒー豆を選ぶときに焙煎日を聞くということです。コーヒーは一般的に焙煎してから3日後以降が飲み頃と言われていて、私の経験としては焙煎してから1週間から2週間までが一番美味しく感じることが多いです。まずお店側に確認してほしいのが、古いコーヒー豆を販売していないかということです。焙煎して一月以上経ったコーヒー豆を販売している店はあまり良心的ではないと言えるでしょう。焙煎の仕方によっても変動するのですが、焙煎してから概ね1週間以内にコーヒー豆を全部売り切る店は誠実だと思います。焙煎日の質問をされた従業員が日にちをよくわかっていなかったり、答えてくれないお店は少し疑ったほうがよさそうです。逆に焙煎豆が新鮮すぎてもカップに美味しいコーヒーが入ることは難しくなります。焙煎したコーヒー豆は表面からガスが放出され徐々にそれらは抜けていきます、新鮮なコーヒー豆はガスを多く含み、ハンドドリップする時にコーヒーを抽出しにくくします。いつも通りハンドドリップすると、抽出時泡が多く出て比較的あっさりとした深みのないコーヒーができることが多いです。ただ新しすぎる分には日にちを待てばいいのですから、従業員がそのことを一言伝えれば、その店は新鮮な焙煎豆を販売している良いお店ということになります。

新鮮な焙煎豆を販売していることが第一条件で、次は豆そのものの質の話をしていきます。最近の傾向として生豆のクオリティの話をする店が多いように感じます。しかし、味を一番大きく左右するのは焙煎です。どんなにいい生豆を使用していても焙煎が焦げていたりすると全てが台無しです。もちろん焙煎ができることを前提に考えると生豆が大切ですが、焙煎が上手な店はたとえ生豆のグレードを下げたとしても十分に美味しいコーヒー豆を作ります。では消費者としてどのあたりをチェックすればそのコーヒー豆の質が高いかが分かるかというと、ずばり豆の断面を見ることです。深煎りのコーヒー豆の割った断面が茶色い部分と黒く焦げた部分がはっきり分かれていたりすると、それは焙煎での熱の伝え方が上手くいっていないということになります。 こういった深煎り豆は、焦げた苦味を中心に、渋みなど不快な味が口に広がり、後味もとてもひどいです。このような豆を深煎りとして販売している店が多い中、均一に熱が伝わり綺麗な断面のコーヒー豆を販売している素晴らしい店もあります。世の中には情報による印象操作や、外観内装など様々な形で有名になっている店がありますが、名店と呼ばれるのはやはり焙煎が上手な店であってほしいものです。私自身焙煎をしますので難しさは理解しており、均一に火が通った美しい焙煎をする店に出逢うと本当に頭が下がります。裏を返せば不均一な断面の焙煎は誰でも簡単に作ることができます。もちろん均一であっても質が低いこともあります。このことは後日記述するとして、やはり研究を積み重ねることでしか素晴らしい焙煎に辿り着くことはできないように思います。年数や規模に関係なく、とにかく店主が研究熱心であることが近道で、歴史のある名店と呼ばれている店であっても、長い歴史の中で経営者が変わっていたりすると、焙煎はひどいものになっている例もあります。雑誌やネットで情報だけ見ているような客が集まり観光地化して、これはこれでビジネスとして成立しているのでしょうけど、こういった店で美味しいコーヒーに出逢うことはないでしょう。過去に良質なコーヒーを提供していたならば元名店ではあるのでしょうけど、雰囲気のある外観だけが残って、素人騙しの苦渋いコーヒーを出していることは、コーヒー好きの方々にとっては悲しいことです。逆に路地裏にひっそりと佇む開業1、2年ぐらいのまだあまり知られてない店で、素晴らしいコーヒーが出てくることがあります。早い段階でとてつもないクオリティのコーヒーを提供している店は、研究熱心な店主が開業前に徹底した焙煎の研究を積み重ねた成果だと思っています。このような店が全国にいくつもあるはずなので探して支持したいです。

今回の内容はもっと細かく書いていきたいのですが、長くなるのでこのぐらいで一旦終えます。余計な情報を排除して、焙煎の質が高い新鮮なコーヒーを提供する店を皆が支持することで、世の中に出回るコーヒーがより良質になっていくことを願います。ネットや雑誌の情報を鵜呑みにせず、良い意味で疑い、今日も一生懸命研究しているコーヒー屋さんを応援しましょう。この記事を見た読者の方々の新たな視点の手助けになれば幸いです。

 

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