コーヒー探求ブログ

感動のコーヒーに出逢うために

初心者向け ハンドドリップの蒸らしの違いによる味の変化

ハンドドリップの蒸らしの時間が味にどのような影響を及ぼすのかを検証していきます。今回は抽出の蒸らしをおこなう時の、お湯を粉にのせていく作業の時間を変えてコーヒーを作り、比較していきます。

<使用する豆>
生豆の種類 エチオピア グジ ナチュラ
焙煎機 直火
焙煎時間 22分
煎り止め 2ハゼの後半
味の印象 苦味 焦げた味あり
 
<使用する器具>
 
ドリッパー ハリオV60透過ドリッパー
フィルター ハリオV60ペーパーフィルター(茶)
サーバー IWAKI耐熱ガラスメジャーカップ
ドリップポット ユキワ ステンレスコーヒーポットM-5
カリタ クリーンカットミル
 
使用する湯の温度は90度で、蒸らし時間を変えた二種類のコーヒーを作ります。
1つ目は、最初の湯をのせていく時間が30秒、もう1つは15秒。
30秒を①、15秒を②とします。
それでは検証していきます。
まずミルでコーヒー豆20gを挽きます。挽きの具合は中挽きより少し粗め。
電気ケトルで湯を沸かし、ドリップポットにうつす。温度計を挿し90度を確認し、抽出作業にはいります。
 
<①の抽出>
数珠つなぎのように点滴で30秒ほどかけて、粉に比較的ゆっくり湯を染み込ませていきます。その後20秒ほど膨らみを待ち、本抽出に入っていきます。比較的高温で、ゆっくり蒸らしているため、粉のガスが抜けているのか、湯が粉に触れる印象が少し硬い感じがします。ポットは一般的な動かし方であるのの字を描くように動かします。ゆっくり動かし一回で、120CCとり、それを温めたカップに移し抽出終了です。全体の抽出時間は約1分50秒。
 
<②の抽出>
ポットの口先から、重力に任せるように湯を垂直に落とし、ある程度素早く動かしますが、あくまで丁寧に蒸らしをおこなっていきます。ここからの動作は①と基本的には同じですが、抽出の際に、湯が粉に触れる感じは①とは全く違います。粉の持つガスが残っていたのか、きめ細かな泡が多く出て、抽出しやすく感じます。全体の抽出時間は約1分30秒。
 
<結果>
(フレーバーホイールの項目)
①ナッツ、バター、ブラウンシュガー、カラメル、ダークチョコレート、タバコ、スモーキー、炭
②ナッツ、タバコ、スモーキー、炭、トースト
 
(カッピングフォームを参照)
アロマ
①少し強い
②弱い
フレーバー
①少し強い
②弱い
後味の印象
①比較的舌離れが良い
②不快な苦味が残る
酸の質
①少し鋭い酸を感じる
②比較的明るく爽やか
口に含んだ質感
①コクがあり、まろやか
②あっさりしている
甘さ
①甘みを感じる
②ほとんどない
ハーモニー
①苦味、甘み、コクの一体感がある
②あっさりしている、味にばらつきを感じザラザラした感じがある
 
(まとめ)
蒸らしをゆっくりした①がコクがあり、舌への感じ方も滑らか、素早く蒸らしをした②は、熱いうちこそ、風味が軽やかで飲みやすさを感じたが、少し温度が下がると、ザラザラしていて味にばらつきを感じました。熱くても冷めた状態でも②はナッツのような風味、香ばしさが引き立っていて、①は少し鋭い酸があったのに対し、②は爽やかな酸に感じます。①は甘い香りがあり、全体のバランスはよいです。
どちらにも良い面はありますが、個人的には①のコーヒーのほうが好みでした。蒸らしをゆっくりしたことで、コーヒーの成分がしっかり抽出され、立体感と、まろやかさを感じました。ハンドドリップの蒸らしをしていく行程の、15秒の差が、味に沢山の変化をもたらすことがわかり、あらためてハンドドリップの奥深さを感じることができました。今後、よりコーヒーを楽しみ、美味しいコーヒーに出逢えるよう、ハンドドリップや焙煎のことなど、色々なことを試していきたいと思います。